不妊治療の体験談

#9 離婚?死別?治療前にここまで決める!治療の同意書にサインした

こんにちは。アメリカ在住のアラフォー「りんりん」です。

実は、今、アメリカで不妊治療を受けています。

まさか自分が不妊治療をうけることになるとは思っていませんでしたが、紆余曲折を経て、今は大金をつぎ込みながら不妊治療を受けています。

ここでは、私と同じように不妊治療を海外で受けようと思っている人向けに、リアルタイムで私の不妊治療の様子を紹介していきたいと思います。

今日は、不妊治療前に署名した4枚の契約書(同意書)について紹介していきます。

不妊治療前に主治医と4つの同意書にサイン

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主治医との45分のオンライン面談。

治療の方針は聞いたことがあるし、何についてのオンライン面談なんだろうと思っていたら…4種類の書類が送られてきました。

4種類の書類の内訳は下記の通り。

  1. 1. IVF Treatment Plan
  2. 2. ZIKA acknowledgement
  3. 3. Consent Freezing & Disposition of embryos
  4. 4. Frozen-thawed embryo transfer

面談前には絶対にサインをするなと言われていましたが、実際に書類を先生と一緒に見てみてビックリ。

こんなことも治療前に決めておかねければいけないのかと驚きました。

おそらくこれから不妊治療をする皆さんも、もしかしたら同じ質問を受ける可能性もあるので、その内容について詳しく紹介していきたいと思います。

1. 治療に関する合意書「IVF Treatment Plan」

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治療の中身に対する合意書のようなものです。

医者からの説明&アドバイスを受けながら、下記のことに対して決めていきました。

+ 誰が精子を提供するのか?
+ 誰が卵子を提供するのか?
+ 誰が出産するのか?
+ どれだけの数の卵子を受精させるのか?(すべての成熟卵?もしくは何個かだけ?
+ 顕微授精(ICSI)を行うのか?
+ アシストハッチングを行うのか? 解説はこちら
+ 着床前診断(PGDとPGS)を行うのか? 解説はこちら
+ 多くの胚ができた場合、それらをどうするか?(凍結?研究用に寄付?他の人に寄付?捨てる?)
+ 治療に使えない・適していない卵母細胞や胚をどうするか?(研究用に寄付?捨てる?)

余分な胚(分割した受精卵)ができた場合にどうするかの扱いは難しいですね。

捨てるのはもったいないし、人にあげるのか、研究用に寄付するのか…少しだけ考えました。

りんりん

自分自身が、不妊治療技術の発展によって恩恵を受ける・受けたので、その感謝の印として、私は自分たちの妊娠出産に使えないものは、基本的には将来のための研究に使って欲しいと希望しました。

2. ジカのリスクがある地域への旅行に関する合意書「ZIKA acknowledgement」

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残念ながらジカ熱は、妊娠中の胎児に影響を与えることが知られています。
詳しくはこちら(CDCのサイト)

したがって、「不妊治療中(精子や卵子の採取)は、ジカ熱が蔓延しているエリアには旅行しないでください」という注意がかかれているのがこちらの書類です。

ジカ熱が蔓延しているエリアは、CDCのこの地図が参考になります。

日本はジカ熱のリスクが低いエリアですが、東南アジアや南米がリスクが高いと書かれています。

1ページの書類の中に色々なことが書いてありますが、大事なことだと感じた点はこちら↓

もしジカ熱が蔓延している地域に旅行した場合には6ヶ月が経過するまで不妊治療の処置を行うことができない。

じつは、私たちも不妊治療をはじめようとした際に、夫が東南アジアを旅行していたので、夫はジカ熱の検査(血液検査)と3ヶ月間の治療の延期を行う必要がありました。

詳しくはこちらの記事でジカ熱の検査について紹介しています。

これから、南米や東南アジアなどのジカ熱のリスクが高いエリアへの旅行を考えている方は、注意が必要です。

3. 凍結胚に関する合意書「Freezing & Disposition of embryos」

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胚(分割した受精卵)の冷凍・保存に関する合意書です。

7枚にわたる合意書ですが、主に下記の事項について選択を行う必要があります。

+ 配偶者が亡くなった場合の胚の扱いをどうするか?(生存している人に権利を与える?寄付?廃棄?)
+ 夫婦どちらもがなくなった場合の胚の扱いをどうするか?(研究用に寄付?他の人に寄付?廃棄?)
+ 離婚したときの胚の扱いをどうするか?(研究用に寄付?廃棄?合意の上で女性に権限を与える?合意の上で男性に権限?他のカップルに寄付?)
+ 胚の冷凍保存費用が未払いのときの胚の扱いをどうするか?(研究用に寄付?廃棄?他の人に寄付?)

今、子供を作ろうと思っている段階で、死別はまだしも離婚という可能性があると考えていなかったのですが、たしかにその可能性はゼロではありませんね。

実際に読み返してよくわからなかったのは、離婚や死別したあとも、その相手の子供を産むことができるのかということ。

詳しくはこの合意書に書かれていなかったのですが、どうなっているんでしょうか…。

普通に考えると、産むことは難しそうです。

4. 説明を受けたという合意書「Frozen-thawed embryo transfer」

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解凍した胚の移植についてプロセスとリスクの説明を受け、理解しましたという合意書でした。

1枚書きの合意書。

まとめ|複雑な問題だけに、同意書もたくさん!夫婦で事前に話し合いを!

アメリカの病院は、歯を抜くだけでも色々と合意書にサインする必要がありますが、不妊治療も同様に色々な合意書にサインする必要がありました。

さすが、契約社会のアメリカです。

合意書を見ていくと、離婚や死別など色々なケースに関する受精卵の取り扱いが問われており、契約書のサインを通して、自分たちはどうしたいのかを考えるいいきっかけになりました。

これから、不妊治療を受ける方々は、夫婦で事前に話し合っておくことをオススメします。

特に離婚したら、どちらがその卵子を引き継ぐ権利があるかなどは、もしかしたら揉めるところかもしれませんよ。